賃貸住宅における 原状回復のトラブルについて

【Q】どんな相談が多いですか?
【A】例えば「5年入居していた賃貸アパートを退去したところ、壁紙の張替えのため敷金は返金できないと言われた」「退去時、規定のハウスクリーニング料を支払ったが、追加で原状回復費用を請求された」「冷蔵庫裏の壁紙の黒ずみ(電気ヤケ)や、家具の設置による床の凹みの修繕について原状回復費用を請求された」「ペット特約を根拠に原状回復費用を過剰に請求された」といった内容の相談が多いです。

【Q】原状回復費用は誰が負担するのですか?
【A】国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省ホームページ:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html)」によると、貸す側が負担すべきものは、畳の変色や家具の設置による凹み、日照などによる壁紙の変色、部屋の消毒や鍵の交換などが該当します。また、借りる側が負担すべきものは、飲み物などをこぼしたことによる床のシミやカビ、家具の移動でできた傷、落書きなどによる壁紙の汚れ、たばこ等のヤニや臭い、掃除を怠ったことによる風呂やトイレなどのカビや水垢などが該当します。

【Q】原状回復とはどういう意味ですか?
【A】例基本的な考え方として、原状回復とは、借りる側の故意や過失、注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗や毀損を復旧することです。経年変化や通常使用による消耗などの修繕費用は、賃料に含まれています。つまり、借りた時点の状態に戻すことではありません。ただし、国土交通省のガイドラインはあくまでも指針で、契約書の内容が優先されることがあります。事前に契約書の内容をよく確認した上で、判断してください。

【Q】トラブルを防ぐポイントを教えてください
【A】まず契約前に、契約書や重要事項説明書の内容、入退去時にかかる費用や特約を必ず確認してください。ペットを飼う場合は、入退去時に費用が多くかかることがあるので、特に確認が必要です。入居時には、壁紙や床の傷の有無などのリストを作成し写真に撮っておくと、入居前からあった傷の修繕まで請求されても断ることができます。退去時には、双方で必ず退去立会を実施して、修繕箇所をお互いに確認します。納得できない内容のままサインをしないでください。万が一、トラブルに遭ってしまったときは相談窓口などを活用してください。


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