吹き抜けのある暮らし
明るく、広々とした印象の「吹き抜け」のある家。さまざまなメリットもありますが、実際に住んでみると意外なデメリットもあるようです。良いところと不便なところの両方をきちんと把握した上で、「吹き抜け」のある家を検討しましょう。今回は「吹き抜け」について考えます。
【1】吹き抜けのメリット
吹き抜けのメリットは、何より視覚的な開放感です。人間は「高さ」によっても空間の広がりを感じます。同じ間取りでも、天井の圧迫感がない分、感覚的に広く感じます。さらに、高い位置に窓を設けることにより複数階分の採光が可能です。両隣にも家があり、その方向からの採光が期待できない場合には、特に効果的です。また、空間全体が緩やかに繋がっているので、家族のコミュニケーションが取りやすいというメリットもあります。【2】そもそも吹き抜けとは?
吹き抜けとは、2階建て以上の建物で、下階の天井、上階の床を造らず、屋内で上下階がつながっている状態を指します。 マンションではエントランスホール、戸建てでは玄関や階段、リビングに設けられるのが一般的です。特に近年は、リビングの吹き抜けが人気の傾向にあります。ホテルや商業ビルなどでも、大きな吹き抜けを設けることで、開放感が得られる演出として効果的に取り入れられています。【3】吹き抜けのデメリット
当然ですが、吹き抜けの分、上階スペースは手狭になります。子ども部屋の数など、今後のライフプランと合致するか検討が必要です。また、冬場に暖房をつけても、温かい空気は空間の上層に、冷たい空気は空間の下層に溜まってしまうので、シーリングファンなどで空気を攪拌する必要があります。そのほか、手の届かない部分が多いので照明などの掃除が大変だったり、音やにおいが筒抜けになるといったデメリットも考えられます。【4】ここに注意!
ライフステージが変わると、部屋数や収納スペースが足りないなど具体的に不便なことがでてくるかと思います。吹き抜けを塞いだり、ロフトなどの新たなスペースを作る工事も、住宅の構造によっては可能です。ただし、床面積が増えるため、増築・増床扱いになり、条件によっては確認申請が必要になり、固定資産税の額も変わる可能性があります。また、そもそも法令により建物の容積率の関係で、増築が不可能な場合があります。「家さがし」巻頭特集
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