趣のある空間 縁側の話
北海道でも、明治時代くらいまでは本州と同じ造りの縁側のある家が建てられていました。しかし、厳しい寒さの北海道には向いてなく、次第に縁側のある家は姿を消していきました。本州においても洋風建築が主流になった現在、なかなか見かけなくなりました。ところが最近、本州、さらに道内においてもあえて縁側を作るケースが増えてきているようです。道民にとってそれほど馴染みがないはずなのに、どこか懐かしい。今回はそんな「縁側」の話です。
【1】縁側とは
縁側とは一般的に、部屋と庭の間にある板張りの空間のことを差します。縁側には主に二種類あり、雨戸やガラス戸などで仕切られた屋内に設置するものを「くれ縁」、屋外に設置するものを「濡縁」と言います。「濡縁」にはさらに家と一体化したものと、家や地面に固定せず場合によっては移動可能なものがあります。いずれも軒下に設置することで上部が守られている構造で、家の中と外を繋ぐ中間の空間になります。【2】ウッドデッキとの違い
ウッドデッキも木製で、庭に設置される点では縁側と似ています。異なる点として、縁側は軒下に設置しますが、ウッドデッキは必ずしも軒下に設置するものではありません。また、縁側は軒下に収まるサイズが原則ですが、ウッドデッキは広いスペースを確保できるため、バーベキューや子どもの遊び場などの用途に向いています。実際に設置する際は、家の雰囲気が和風なら縁側、洋風ならウッドデッキを選ぶことになるでしょう。【3】縁側のメリット
縁側は何より趣が感じられ、夕涼みをしたり、庭を眺めたりできる、憩いの空間です。庭で水遊びや花火をする子どもたちを見守る、家族のふれあいの場でもあります。「くれ縁」は夏場、日光を直接部屋に入れないのと同時に風通しを良くすることで、室温が大きく上昇するのを防ぎます。冬場も、外とワンクッション置くことで冷気を遮るのに役立ち、雨の日には洗濯物を干すスペースとしても活用できます。【4】縁側のデメリット
「くれ縁」の場合、日差しが直接入らないため、部屋に湿気がたまりやすくなります。定期的な換気を心がけましょう。また、屋内のスペースを使用するので、その分居住部分が狭くなることも念頭に置きましょう。せっかくの縁側を有効活用しないでいると、いつの間にか物置スペースに、なんてことも。開放的な分、道路から室内まで見えやすいので、塀で目線を遮るなどプライバシー保護や防犯にも気を使うべきでしょう。「家さがし」巻頭特集
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